本記事では開発した磁力計ユニット搭載のドローンを利用した測定テストとその経緯をお送りします。
空中磁気探査ができる機材を自社で開発し測定を実施するのは未経験でした。
弊社はこれまで(空中・人力)磁気探査自体の経験は国内外で複数所有しています。
しかしながら実際の測定や生データの処理・解析のほとんどを外注していました。
弊社はそれらデータを処理し測定における最終成果となる「磁気異常図」という図面の状態で受取ります。
そして、地下構造の解析や推定するためのデータの一部として取扱ってきました。
そのため、
〇 実際の測定におけるデータ(生データ)品質の確保
〇 磁気測定データの品質とは何か
〇 そもそもどのような測定条件が必要か
上記項目について評価するための思想を持ち合わせていませんでした。
本記事では
● データ品質とは何を指すか?
● 品質を保つために必要とされる導入前テストに挙げるべき項目は何か?
● 導入前テストとして適切なテストフィールドをどのような選定して確保するのか?
という課題について、弊社が辿った経緯をお知らせする予定です。
これらを検討する際、最も参考にさせて頂いたのは、公益社団法人 物理探査学会 より公開されている、
「平成28 年度地熱資源調査等を目的とした空中電磁気探査法及び空中磁気探査法の手法検討作業」
という報告書です(ダウンロードURLが見つかりませんでした)。
そして、産業総合技術研究所の地質センターより公開されている中塚氏、大熊氏の研究成果です。
https://www.gsj.jp/researches/openfile/openfile2018/openfile0655.html
実際のテストフライトでは、測定ユニット(磁力計本体)の振り子運動の解消が最初の課題として発生しました。
マニュアル操作では何の問題もないのですが、フライトプラグラムではターン時だけではなく予期しないところで測定エラーが頻発するなどしました。
基本、弊社のUAV空中磁気探査は広範囲(5~数10㎢)での調査となります。そのため、飛行は目視外航行が主体となります。
適切なフライトプログラムを作成することは必須条件のひとつです。
このように、実際に生じた課題と解消するまでの経緯などについて記事を随時更新してお送りする予定です。